総評
入る度に構造が変わる秩序の塔。その塔のクリアを目指し、何度でも繰り返し遊べるゲーム性とブキを強化していく過程は新鮮で楽しめました。しかし、フロアの出現パターンは少なく作業感が否めなかったのとストーリーが薄味に感じた点は残念でした。
おすすめポイント
タイトル名 | スプラトゥーン3 – サイド・オーダー(DLC) |
発売日 | 2024年2月22日 |
ジャンル | アクションシューティング |
対応機種 | Nintendo Switch |
発売元 | 任天堂 |
クリア時間 | 約10時間 |
「サイド・オーダー」はスプラトゥーン3の有料DLCです。
秩序の塔と呼ばれる挑戦するごとにフロアの構造が変化する塔の攻略を目指します。
遊び方の大きな特徴は、繰り返し何度でも遊べるということ。
フロアごとに入手するカラーチップで能力を強化しながら攻略を進めます。
舞台は色を失った「ハイカラスクウェア」。
その世界に迷い込んでしまった主人公ハチはドローンの姿となったヒメと共に、行方不明のイイダを探し出しだし、ハイカラスクウェアの色を取り戻すため秩序の塔の攻略を目指します。
なぜハイカラスクウェアは色を失ったのか、イイダはなぜ行方不明になったのか、秩序の塔をクリアすると明らかになる世界の謎にも必見です。
よかったところ
カラーチップでブキの強化
秩序の塔で手に入るカラーチップでブキの強化をしていくのが楽しかったです。
カラーチップをパレットにはめ込むとブキやヒメドローンの性能を強化することができます。
手に入るカラーチップもランダムなので、挑戦ごとに様々な強化が楽しめました。
例えば、あり得ない連射力を誇るブラスターを作れるときもあれば、必殺技を連発するヒメドローン作れたりするときもあります。
特にブキの強化は通常の対戦では使えない性能のブキを作ることができるので、その点はかなり新鮮でした。
「次はどんなカラーチップ出るかな」とワクワクしたり、「このブキはどんな強化して進めていこうかな」と攻略を考えて進めるのがとにかく楽しかったです。
個人に合わせた難易度調整
「ハッキング」によって自由な難易度で楽しめる点がよかったです。
本DLCは、秩序の塔に挑んで手に入れることのできるシンジュを使ってプレイヤーやヒメドローンを強化したり、塔の設備を充実させることで塔の難易度を下げることができます。
例えば、ブキの攻撃力アップや防御力アップなどのステータス強化もあれば、ヒメドローンが使える必殺技を増やしたりなど、プレイヤーの趣向に沿って様々な強化が用意されていました。
そのように強化したものに関しては、逆に弱体させることもできます。
つまり、ハッキングすることによって塔の攻略難易度の調整ができるのです。
私はクリアができればよいと思うタイプなのでガンガン強化しましたが、全く強化に頼らないプレイスタイルの方もいるかと思います。
人によって遊び方はそれぞれですので、難易度という形で柔軟に個人に合わせた遊び方を提供できるのは面白いと感じました。
爽快感あるプレイが楽しめる
各フロアで波のように押し寄せてくる大量の敵を倒すのは爽快感がありました。
前述したカラーチップで能力を強化することで、多彩なプレイが楽しめます。
例えば、攻撃性能モリモリの武器で無双したり、ヒメドローンを究極に強化して地面を塗っているだけで敵を溶かしたりなど、これまでの1人用モードにはなかった爽快感を体験できました。
あまりにも爽快感があって面白いので、塔の最終フロア付近ではあえて難しいフロアを選択して、出てくる敵を倒していました。
ストレス発散にもなりますね。
気になったところ
お題が少ないから感じる作業感
繰り返し遊べるが特徴の本DLCですが、エンディングを迎えてからの塔の攻略は作業感がありました。
最も大きな理由としては、お題が少ないからです。
秩序の塔では、各階でお題がランダムで出されます。
お題はクリア条件を示しているもので、敵の出現するポータルを壊したり、大玉を所定の位置に運んだり、エリアを所定の時間を確保したりと様々。
これらのお題にフロアの構成が組み合わせがあるのですが、組み合わせのパターンも少なく、一度攻略すると全く同じ「お題×フロア」もいくつか見かけるほどでした。
初見時こそフロアの構成がわからずワクワクしましたが、4周目くらいからはただ消化している、作業している感が強かったです。
クリアまでのボリュームは少なめ
エンディングを迎えるまでのボリュームが少ないと感じました。
やり込み要素こそ多いですが、秩序の塔を一度登り切ってボスを倒せば物語的にはクリアになります。
スプラトゥーン2のDLCであるオクトエキスパンションから続く物語の設定を深く知りたい方やギアなどを集めたい方、繰り返し遊ぶことに魅力を感じている方以外はクリア後も遊ぶ動機が薄いかもしれませんね。
そのため、やり込み要素を含んだ全体的なボリュームと質は十分ですが、エンディングを見れば満足という方にとっては少し物足りなさを感じる内容かと思います。
個人的にはスプラトゥーン2DLCにあったような、裏ボスなどの強敵がいればよかったなと思いました。
終わりに
本DLCは、スプラトゥーンシリーズの新たな可能性を見せてくれました。
何度でも繰り返し遊べるというゲーム性やブキの強化要素、色を失った幻想的な世界観など、これまでのスプラトゥーンとは大きく違う体験ができます。
私としては色を塗って対戦するというスプラトゥーンの主な遊び方についてはマンネリ化していましたが、本DLCで新しい遊び方に触れ、今後のスプラトゥーン作品に期待せずにはいられません。
エンディングまでの時間は短いですが、本当に良質な時間を過ごせたと思いますし、DLCの価格3,000円の価値は間違いなくあるので、まだプレイしていない方はぜひ遊んでみてください。
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