総評
リメイクによって生まれ変わったFF7の世界は魅力でいっぱいでした。ミニゲームやクエスト、ワールドレポートなどなど、膨大な量を誇るコンテンツは全て質が高く飽きることなく最後まで楽しめました。ストーリーは終盤難解でしたが、終始仲間たちが魅力的で全員好きになります。原作要素を踏襲したイベントやロケーションなどもあり、原作のFF7を遊んだプレイヤーには特に遊んで欲しい作品だと思いました。
おすすめポイント
タイトル名 | ファイナルファンタジー7 リバース |
発売日 | 2024年2月29日 |
ジャンル | アクションRPG |
対応機種 | PS5 |
発売元 | スクウェア・エニックス |
クリア時間 | 約113時間 |
発売日からずっとプレイしていた「ファイナルファンタジー7 リバース」(以下、FF7リバース)をクリアしました。
プレイ時間は約113時間。
ワールドレポートやクエストなど、クリア時に回収できる要素は一通り回収してのプレイ時間です。
本作は「ファイナルファンタジー7」(以下、FF7)のリメイクプロジェクト三部作の2作目にあたる作品で、ミッドガル脱出後から中盤の忘らるる都までの物語が描かれます。
大きな特徴はやはり広大なオープンワールドのマップ。
大きく6つで構成されたマップには探索要素がぎっしり詰まってますし、リメイクによって解像度の上がった各地方や街では人々の生活風習や地方の歴史があり、納得感が増しました。
今回は、原作のFF7、前作の「ファイナルファンタジー7 リメイク」をプレイ済みの視点でクリア後レビューをしていきます。
よかったところ
特色のあるワールドマップ
ワールドマップでの探索は膨大にある本作ですが、飽きずに最後まで楽しむことができました。
これは地方ごとにワールドマップに特色があったからだと思います。
本作のワールドマップはオープンワールドで構成されており、探索できるエリアは大きく6つです。
草花が芽吹くグラスランドエリアに、木々生い茂るゴンガガエリアなどロケーションも様々。
6つのエリアの中でもコレルエリアは特に良くて、自然が豊かなリゾート地と自然が枯渇した砂漠地帯が共存するエリアとなっています。
冒険の息抜きができる「コスタ・デル・ソル」や「ゴールドソーサー」があるというのもありますが、特徴が大きく違う2つの環境を堪能できるのはお気に入りでした。
ロケーションによる見た目の変化も楽しませてくれた要素ですが、さらにエリアごとにチョコボの種類も違います。
チョコボは、種類が変わると能力も変化。
山チョコボは壁を上れますし、森チョコボは森林の環境を活かしたアクションができたりもします。
エリアごとにアクションが大きく異なるのも探索において常に新鮮味を感じることのできた要素で、飽きのこない体験ができました。
また、ワールドレポートでライフスポットの調査を進めることで、それぞれのエリアの歴史や風土も知ることができるのも原作プレイヤーには嬉しいところ。
もちろん、原作では語られていない新設定がほとんどでしたが、新旧問わず「FF7の世界」というくくりで確認すると、世界観により深みが増しました。
懐かしくも新しい街並み
前述したワールドマップの進化にも感動しましたが、街並みの進化にも感動しました。
完全新作ではなくあくまで「リメイク」なので当たり前ではあるのですが、ポリゴンで描かれた原作のFF7で印象だったオブジェクトや雰囲気は残しつつ全く新しいものに進化しています。
例えば、序盤に登場するカームの街だと路地裏で市場を開催していたり、川が流れていたりと原作のFF7にはなかった生活の豊かさが垣間見れました。
街の中心にある魔晄炉と街を取り囲む城壁、武器屋へ続く階段など原作でも印象的な部分は残されており、新しいのだけれど、見たことあるような懐かしい気持ちになれます。
カーム以外の街も大きな進化を遂げており、懐かしさを感じつつも新しく生まれ変わった街並みにとにかく感動しました。
また、アンダージュノンの上層、アルジュノンは作中1度しか訪れることはないにも関わらず街中の作り込みの高さには驚きです。
クオリティの高いミニゲームの数々
クラウドたちは物語を進める道中で多くのミニゲームを遊ぶことになります。
イルカに乗ってタイムを競う「ドルフィンスプリント」や的を狙って得点を競う「パイレーツ・ランページ」、原作のFF7にもあった「3Dバトラー」に「チョコボレース」など、種類は様々です。
その上、どのミニゲームも1つのゲームに収録されているとは思えないほどクオリティが高く、ミニゲーム1つでソフト1本発売できてしまうのではないかと思うほど。
特に序盤のカームの街で遊べるようになる「クイーンズ・ブラッド」は本当によくできており、終盤までずっと楽しめました。
クイーンズ・ブラッドは、3つのレーンにカードを置き、レーンごとの得点を競う陣取り式のカードゲームです。
カードは作中に登場する魔物やキャラクターが描かれており、種類や効果も様々なので、戦略的で奥深い遊びが体験できます。
終盤になると攻略は一筋縄ではいきませんが、その分デッキの編成を試行錯誤していくのが楽しかったです。
また、各地のカードバトラーに勝利していくと、ストーリー的なものがあったのも良いサプライズでした。
仲間との絆を感じるバトル要素
約113時間本作を遊びましたが、バトルは終始飽きなかった、むしろ終盤になるにつれて楽しく感じました。
理由として、マテリアの育成やATBシステムの戦略的な部分が好きというのもありますが、本作ならではの仲間との連携要素が大きいと思います。
連携要素として最も印象的なのは「連携アビリティ」と「連携アクション」と呼ばれる連携技です。
特に「連携アビリティ」は、演出も豪華で仲間たちとの息ぴったりのコンビネーション技を見ることができます。
こういうのを見ると、冒険しててお互いの信頼感が育まれてる感じがして嬉しくなりました。
クラウド以外のパーティメンバーは基本的には自由に編成できるので、連携技を色々試してみるのもいいですし、その時の気分で編成を変えてみるのもいいですね。
例えば、パーティに賑やかさが欲しい時は、元気が良いバレットやユフィをメンバーに入れると多少賑やかになり、私の気分も明るくなりました。
キャラクターにはそれぞれ個性があり使用感も大きく違いますので、自由に操作キャラを切り替えることで、コンテンツ量が多いにも関わらず飽きずに楽しめたと思います。
原作にも存在したイベントが残されている
私は原作のFF7を遊んだことがありますので、原作にも存在したイベントが残っていたのは嬉しかったです。
リメイクなので原作に存在したイベントが再現されるのは当たり前なのですが、リメイクによってブラッシュアップされつつも、原作のネタがわかるように存在していたのが最高でした。
イベントは作中色々あったのですが、私の中で印象深いのはアルジュノンの秘密俱楽部「グラブレセント」でのイベントです。
倶楽部は、スキンヘッド専門のお店でタークスのルードを筆頭としたスキンヘッド軍団のイベントを見ることができます。
原作のFF7ではテキストのみでイベントとは呼べないほどあっさりしていましたが、リメイクによって声や動き、演出などが付いてシュールでかなり面白いイベントに進化していました。
個人的には、本作で一番面白くて原作プレイヤーには嬉しいイベントだったのではないかなと思います。
気になったところ
地形が複雑なエリアは探索が大変
ワールドマップは、エリアによっては探索しづらかったです。
地形が複雑で探索しづらいエリアは、微妙にパルクールできない地形が多いと感じます。
例えば、グラスランドなど、凹凸が少なくて平坦なエリアなら探索しやすいですが、コレルの砂漠地帯やゴンガガなど、高低差の多いエリアは探索が大変でした。
特にゴンガガエリアは本当にしんどかったです。
森チョコボに乗ってキノコでジャンプしないと行けない場所だったり、キノコの場所に向かおうにもそもそも地形が入り組んでて行き方がわからず迷ったりと、ウロウロするだけでかなりの時間を要しました。
しかし、最近遊んで感銘を受けた「クライシスコア ファイナルファンタジー7」(以下、CCFF7)に関連したイベントもあったので、エリアとしては思い入れが強いです。
ゴンガガエリアは、探索は大変ですがCCFF7プレイヤーには嬉しいエリアであることは間違いないと思います。
テンポの悪さ
ストーリーやクエスト進行においてややテンポが悪いと感じることがありました。
ことあるごとにミニゲームを挟んでいたという印象が強いです。
基本どれも楽しいのですが、コスモエリアのエンシェントマタークエストでプレイすることになる「ガンビットギアーズ」は、遊んでてストレスを感じました。
タワーディフェンスのルールを踏襲したミニゲームはジュノンエリアの「コンドルフォート」でも遊んだので、せめて大きく違ったルールのミニゲームを遊びたかったです。
とはいえ、ミニゲームに関してはお話の背景に沿った形で遊ぶ動機付けがしっかりしていたので、ミニゲームの導入自体に違和感はありません。
また、テンポの悪さでいうともう一点。
チャドリーのバトルレーポートは、武具の確認をもう少しスムーズにできるといいと思いました。
バトルレポートにアクセスする度に、仮想空間に入るための演出に突入しロードが発生。
ロードが入るだけなら全然いいのですが、マテリアや武具の付け替え、武具構成を見直したい際も一度仮想空間から出る必要があるので、そのたびにロードを挟む必要があります。
バトルレポートは多種多様な敵との連戦も多いので、せめてマテリアの付け替えくらいは仮想空間内で行えると嬉しかったです。
本作は色んなところが遊びやすく工夫されていると感じていただけに、ここの不親切さは私の中ではかなり目立ちました。
不要と思える簡単なボタン入力
探索時の簡単なQTEは何度もやってると作業感がありました。
簡単なQTEというのは、複数回タイミングよくボタンを押したり、指定されたボタンを順番に押したりといったようなものです。
そのようなボタン入力は、主にワールドレポートのライフスポットや召喚獣レポートの調査で発生します。
ボタン入力をする簡単なミニゲームというよりかは作業に近い感覚でした。
そうであれば調べるだけで調査済みとなった方がテンポ良く進めることができて、よかったのではないかと思います。
しかし、ライフスポットや召喚獣レポートの調査場所の雰囲気は秘境感があってどこも最高でした。
終わりに
本作は待望の作品だけあって、久々に腰を据えてクリアまでじっくりプレイしました。
クリアして1週間が経とうとしていますが、仲間たちとの冒険の日々が恋しく、FF7リバースロスに陥ってしまっています。
全体的に見ても高品質かつボリューミーで、10,000円以内で遊べてしまうことに驚愕です。
ストーリーも色々考察が捗りますし、続きが気になりすぎて続編のリメイク3作目が今からとても楽しみ。
分作だからと躊躇せず、PS5を持っている方ならぜひ遊んで欲しいゲームです。
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