【レビュー】ゼルダの伝説 知恵のかりもの|古参ファンにこそ遊んでほしい新しいゼルダ

ゲームレビュー
タイトル名ゼルダの伝説 知恵のかりもの
発売日2024年9月26日
ジャンルアクションアドベンチャー
対応機種Nintendo Switch
発売元任天堂
クリア時間約30時間

「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」は2013年に発売された「ゼルダの伝説 神々のトライフォース2」以来のトップビューで展開される新作2Dゼルダです。

それも、2Dゼルダのアタリマエを見直したゼルダでもあり、なんと主人公がリンクではなくゼルダ姫。

ゼルダ姫はリンクのように剣や盾、豊富なアイテムを使ったアクションでの攻略はできないので、カリモノと呼ばれる能力を使って攻略します。

ハイラル中にある幾多のオブジェクトや魔物など、カリモノとしてお借りすることで冒険を進めていきます。

なぜ一国の姫であるゼルダが旅立つことになったのかというと、冒険の舞台であるハイラル王国に裂け目が出現して国中の住民が飲み込まれていくという、とんでもない危機が国に迫ったから。

その裂け目に父親である王様やいつもは主人公の勇敢なリンクまで飲み込まれる事態になったのですから、それはもう姫様の出番です。

本作を遊んでいて常々思っていたのが、アタリマエが見直された新しいゼルダなはずなのにどこかこれまで遊んできたリニアなゼルダ感があるということ。

そんな本作のレビューをしてきたいと思います。

よかったところ

カリモノを駆使した自由度の高い攻略

主人公がゼルダ姫になったとはいえゼルダの伝説シリーズですから、ダンジョンの謎解きや魔物との戦闘などは当然あります。

冒頭でもお話している通り、その全てでカリモノという能力を使って攻略するのですが、これが奥深く楽しかったです。

正直、使えるカリモノが少ない序盤のうちは単調になりがちで微妙でしたが、カリモノが増えてくる最初のダンジョン辺りになると攻略に対する選択肢が増えてきます。

草むらに潜んでいる敵を倒すのに草を焼き払うか、はたまた遠距離からチクチク攻撃してもらうか、囮を出してそもそも倒さずに通り過ぎるか、などどの案を取るかで使うカリモノも違います。

そして、カリモノにもコストがあって、同時に呼び出せる個数が制限されているので限られたリソースの中でどうやって攻略するのか、その辺りも考えながら攻略するのが楽しかったです。

謎解きに関しても同じようにカリモノを使っての攻略でしたが、謎解きの性質は神々のトライフォースやふしぎの木の実など、昔ながらのリニアな謎解きが楽しめた印象でした。

トップとサイドの見え方の違いが新鮮

基本的に2Dゼルダと呼ばれる作品は、キャラクターを上から見下ろしたトップビューの展開での冒険が繰り広げられることがほとんどです。

しかし、夢をみる島やふしぎの木の実といった2Dゼルダではトップビューに加え、横スクロールで進むサイドビューの展開も用意されています。

ダンジョンの地下の面がサイドビューの構成になっていたことが多かったですね。

そして本作にもサイドビューの面がいくつも登場するのですが、カリモノを出した際の見え方というのがすごく新鮮でした。

通常、サイドビューで登場する敵やギミックはサイドビューならではの役割を有しているので、サイドビューの面でお借りしたギミックをトップビューで出現させると見え方や役割が全然違います。

もちろん逆も然りなのですが、同じカリモノでも2つの視点で全く違った見え方や役割になる、というのは新鮮で面白かったところです。

個人的にはトゲ丸太の見え方の違いが面白かったです。

シリーズファンには堪らないファンサービスの多さ

本作はファンサービスの嵐でした。

まさに、ゼルダファンが作ったゼルダの伝説といった印象です。

マップは神々のトライフォースのマップを拡張したような感じで、ハイラル城が中心にあり上に北の教会、右側に東の神殿、さらには左下のゲルド砂漠には砂漠の神殿などかつてリンクが冒険したハイラルの面影がそのまま残っていました。

その他にも、魔物についても過去作品で1度しか登場していない懐かしい魔物が登場したり、物語も予想もしていなかった設定に触れています。

シリーズファンなら遊んで損はない作品ですよ。

気になったところ

カリモノを選択するUIの不便さ

カリモノを選択する際のUIが圧倒的に不便だと感じました。

本作のカリモノの数は100を裕に超える数存在するので、特に後半になるとカリモノを選ぶのが億劫になったりします。

一応、よく使う順やコスト順などソートは用意してくれていますが、それでも不便さは拭えませんでした。

何パターンかお気に入りのカリモノを登録できる機能があれば、幾分使いやすかったかなと思います。

ロックオンの使いづらさ

ゼルダが注目した魔物やオブジェクトに向けて自分の出したカリモノに攻撃指示を出すという、ロックオン機能というものがあります。

この機能がとても使いづらく、ロックオンできるものが密集していると思い通りカリモノが行動してくれないことが多々ありました。

それも、対象の柔軟に切り替えができないので、ロックオンをし直してもまた同じ魔物やオブジェクトをロックオンといったことも。

特にたいまつに火を付けたいを狙いたいのに、目の前にちょろちょろ魔物がいるから全然思った通りに動いてくれないというケースが何度かありモヤモヤしましたね。

せめてロックオン対象の切り替えがスムーズに行えたなら、まだストレスも変わってきたかもしれません。

最後に

Switchには他にもゼルダ作品があり、代表的なものでいうとブレスオブザワイルドやティアーズオブザキングダムなどがあります。

本作はそれらで築いた自由度の高い新しいゼルダを踏襲しつつ、それより前のリニアな旧式ゼルダが融合したかのような作品でした。

2Dゼルダならではのコンパクトさもあり、ゼルダの魅力がぎゅっと詰まった作品になっているかと思います。

2Dゼルダのアタリマエを見直した本作ですが、今後もゼルダの伝説シリーズは進化し続けるでしょうしどんなアタリマエが見直されるのか今後も楽しみです。


ゼルダの伝説 知恵のかりもの – Switch

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