総評
PS5の高スペックな性能をフルに活かした臨場感の高い体験ができ、没入感が高かったです。
オープンワールドのニューヨークの移動は楽しい上に、街中のアクティビティもシネマティックに描かれます。2人のスパイダーマンがお互いを支え合いながら成長していくストーリーにも必見。
おすすめポイント
タイトル名 | Marvel’s Spider-Man 2 |
発売日 | 2023年10月20日 |
ジャンル | アクション |
対応機種 | Play Station5 |
発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
クリア時間 | 約32時間 |
本作は、凶悪なヴィランや悪党たちからニューヨークを守るスーパーヒーロー「スパイダーマン」としての体験ができるゲームです。
同シリーズとして「Marvel’s Spider-Man」、「Marvel’s Spider-Man: Miles Morales」と過去に2作品発売されており本作はシリーズの3作目になります。
過去2作品に登場した2人のスパイダーマンを主人公としたダブル主人公形式でストーリーが進むのが大きな特徴です。
過去作とバトルや移動などベースとなる操作感は同じですが、多くの部分が進化しており、圧巻の体験ができました。
良かったところ
ニューヨークの探索
先ほども少し触れましたが、移動を含めたニューヨークの探索が楽しいです。
過去2作品も楽しかったですが、それ以上に楽しい。
ニューヨークの街は過去2作品の約2倍です。
探索範囲が増えたことにより、移動アクションやアクティビティが豊富になりました。
また、ハード性能の高いPS5でニューヨークの世界を表現することにより、道を走る車や路地を行きかう人々なども増え、生活感溢れる街になっています。
移動アクション
ニューヨークの街を猛スピードで飛び回るのはかなり気持ちよかったです。
特に本作からの新アクション「ウェブ・ウィング」はクセになります。
ウェブ・ウィングとは両手を広げてグライダーのように滑空し、建物のない海上の移動や街中で機動力が必要な場合に重宝するアクションです。
建物の間を蜘蛛の糸にぶら下がって移動するスパイダーマンお馴染みの「スイング」ももちろんありますが、ウェブ・ウィングの方がスピード感があって私はよく使っていました。
街中を高速で移動するのはやたら中毒性があって、何時間飛び回ってても飽きません。
また、移動と関連して紹介するとファストトラベル機能もロードがほとんどなく快適です。
しかも、ファストトラベル用のスポットなどではなく、適当な路地でもマップの選んだ場所にファストトラベルできるため、高性能です。
そんな高性能なファストトラベル機能があるにも関わらず、それを使うことは滅多にありませんでした。
そのくらい本作の移動における体験は気持ちよく、新鮮な体験ができたなと感じています。
豊富なアクティビティ
過去2作品同様、ストーリーが進むごとにニューヨークの街中に様々なアクティビティがアンロックされます。
アンロックされるアクティビティも種類が豊富で、。
敵拠点を制圧するための戦闘や実験と称して簡単なパズルやシューティング、飛行型ロボットを追いかけるために街中を飛び回ったりと色々あります。
更に1つ1つが5分以内にサクッと終わるボリュームでテンポよくクリアできるのも個人的には好印象でした。
街の生活感
細かいところですが街を往来する人々や車の描写が増えていて、ニューヨークの生活感をよりリアルに感じることができました。
ブラブラ散歩するだけでも楽しかったです。
また、過去2作品では、建物の明かりは付いてるけど中に人がいるところが描写されていませんでしたが、本作では建物の中にも人がいるのがしっかり描写されていました。
最新技術で臨場感が高い
本作における戦闘や移動、アクティビティなど、全ての要素でゲームの中に入り込んだかのような没入感や臨場感を与えてくれました。
その体験は、やはり本作がPS5が持つ性能をフルに発揮していたからだと思います。
特にPS5のコントローラー「DualSense」や繊細なグラフィック。
DualSenseは場面によってトリガーの固さを変更したり、振動も細かく、それでいて心地よく手に馴染むように伝えてくれ、過去作から進化したグラフィックはニューヨークの街並みをより現実的に描いています。
私の中では「スパイダー・ボット」というガジェットを侵入させて建物を調査するミッションが印象に残ってて、歩くと小刻みにコントローラーが振動し、スパイダー・ボットが歩いている質感をより繊細に感じました。
他にも、鉄製の地面と石製の地面ではコントローラーの振動の強弱に微妙な違いがあったりと、より臨場感ある体験ができるので遊ぶ時はぜひ確かめてみてください。
グラフィックはパッと見ていただいたらわかると思いますが、とてつもなく綺麗ですね。
特に光が差し込んでいる水面に、波立っているのがわかる感じが好きです。
2人のスパイダーマンの活躍を描くストーリー
冒頭から度々話に出ていますが、本作は本家スパイダーマンである「ピーター・パーカー」と新スパイダーマンである「マイルズ・モラレス」の2人のスパイダーマンが主人公です。
実は私、マーベルはほとんどわからなくて、スパイダーマンも実写版の映画を視聴している知識くらいしかありません。
しかし、その程度の知識でも過去2作品はもちろん、本作も十分に楽しめます。
そして、2人の主人公はストーリー上でどちらにもそれぞれ役割があり、大活躍でした。
開始前は、ダブル主人公となるとどちらかが存在感薄くなるのかなと思っていましたが、それも杞憂でしたね。
個人的に嬉しかったのはこれまでのシリーズではあまり見ることのできなかった、ピーターの友人関係、仕事や恋愛などプライベートな面を多く見れたこと。
ピーターの友人関係やMJとの恋模様なんかも見ることができます。
物語中盤では、シンビオートという寄生生物も登場し、ピーターが徐々に寄生されて攻撃的になっていく様子が妙にリアルで印象的でした。
駆け引きのあるバトル
本作の戦闘、特にボス戦は適度に難しく楽しかったです。
過去2作品よりも、ボスとの駆け引きが生まれています。
過去2作品は、敵の攻撃をかわして適当なタイミングでウェブ・シューターを打って拘束して殴るといった感じで、ボス戦は単調な印象を受けていました。
本作はというと、かわしきれない攻撃はパリィしたり、逆にパリィでは防げない攻撃もあるので、タイミングを見極めて回避の必要があったりと、攻略の駆け引きが生まれています。
どのボス戦もインファイトで、歯ごたえのある戦闘が楽しめました。
また、全体的なバトルスピードは速かったです。
私は難易度「NORMAL」で挑んだのですが、ボス戦で何度かゲームオーバーになってしまいました。
ただ、一定のダメージを与えるとロードポイントが作られますし、何度かやってれば確実に倒し方がわかるようになってますので、個人的にストレスはなかったです。
これから遊ぶ予定でアクションが苦手かつ物語重視で楽しみたい人は、戦闘で倒されることがなくなる最低難易度「FRIENDLY NEIGHBORHOOD」で遊んでもよいかなと思います。
気になったところ
ガジェットが少ない
スパイダーマンと言えば機敏な動きと超パワー、どんな危険も察知するスパイダーセンスなど超人的な能力が特徴的ですが、本人が科学オタクなだけあってガジェットも豊富です。
代表的なガジェットで言えば、蜘蛛の弾を発射するウェブ・シューターやスイングに使う蜘蛛の糸なども手首のガジェットから放出しています。
ガジェットは基本的には戦闘で使用しているのですが、本作は始めから搭載されているウェブ・シューターを含めても5種類しかありません。
シリーズ第1作目の「Marvel’s Spider-Man」では、8種類のガジェットがあってそれぞれ組み合わせて使うのが楽しかっただけに少し残念でした。
特にステルス時に活躍するガジェットが1つもなかったので、この辺りは何か欲しかったなと思います。
とはいえ、過去2作品とはまた違った特徴を持つガジェットが登場しているので、戦闘で他のスキルと組み合わせて使うという別の楽しさはありました。
過去作をやっておいた方がよい場面も
シリーズ3作目だけあって、スパイダーマン2人の他にも色んなキャラクターが過去作品から引き続き登場しています。
一応、冒頭で過去2作品の振り返りをしてくれますが、メインストーリーを進める上の必要最低限の情報です。
サブストーリーで登場する一部キャラクターの説明はないので、急に出てきてもよくわからないかもしれません。
キャラクターの背景なども、過去2作品を知っているのと知っていないのとでは、感情の汲み取り方が違ってくるシーンもいくつかあった印象です。
とはいえ、メインストーリーを楽しむだけなら冒頭の振り返りで十分だと思いますので、「今すぐにでも遊びたい!」という人は遊んで問題ありませんし、本作でシリーズに興味が出たから他のシリーズ作を遊ぶといった流れでも全然問題はありません。
ただ、本作から始める際には、過去2作品のラスボスなど大きなネタバレを知ることになるので、ネタバレなしでシリーズ通して遊びたい人は注意してくださいね。
ホログラムが邪魔
本作は街中にアクティビティがあり、遠くから一目でわかるようにホログラムが目立つように設置されています。
確かにわかりやすく、進める上でありがたいのです。
しかし、写真を撮るのが好きな私にとってはせっかくの美しい景観が損なわれて正直邪魔に感じました。
フォトモードの設定でもオフにできないので、ホログラムを映したくない場合は映らないようにカメラの角度や構図を少しずつ変更する必要があります。
一応、ホログラムは対象のアクティビティをクリアすることで消えるようにはなってるのですが、時間が流れ景観が変わるニューヨークの中で「今この瞬間に撮りたい!」と思った瞬間に思い通りに撮れないことが多かったです。
スクショを撮らない人は気にならないと思いますが、私のようにスクショ撮りまくりたいという人は注意して、突然のナイスなアングルに備えて早めにアクティビティを終わらせておいた方がよいかもしれません。
フォトモードの機能はものすごく充実していて、油断してるとゲーム内のスクショでPS5の容量が埋まりそうなくらい素敵な写真がたくさん撮れます!
有料DLCの展開は…?
私はコンプまで遊んだのですが、有料DLCによって物語が追加されるような気配はかなり漂わせていました。
全く情報はありませんが、シリーズ第1作目の「Marvel’s Spider-Man」では、DLCで三部立ての物語が展開された実績があるので、今回も同様にDLCはあると思っています。
新しいアクティビティやスーツの追加にも期待したいですね!
終わりに
30時間ほどあれば全探索を終えれるボリュームですので、大作のゲームにしては思ったよりお手軽に遊べます。
今後DLCがあったら、ますます盛り上がりそうで楽しみです!
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