総評
22分という限られた時間とリアルタイムに変動する各惑星は、宇宙探索の好奇心を駆り立てられました。探索して得た情報を整理、検証していく過程は自由度が高く、オープンワールドのゲームとしての真の楽しみ方を提供してくれたと思います。
おすすめポイント
タイトル名 | Outer Wilds |
発売日 | 2023年12月8日(Switch版) |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
対応機種 | Switch、PS4、PS5、XBOX、Steam |
発売元 | Annapurna Interactive |
クリア時間 | 約30時間 |
Outer Wildsは宇宙を舞台にしたSFアクションアドベンチャーゲームです。
様々な個性的な惑星から成る太陽系を好奇心の赴くまま、自由に探索します。
ただし、与えられた時間は22分。
22分経過すると、太陽が爆発して探査艇での旅立ち前に戻されてしまいます。
同じ22分間を繰り返し、宇宙に隠された謎とループの真実を見つけ出すのが冒険の目的です。
探索の特徴としては、誘導が一切なく、プレイヤーの自由に宇宙を飛び回り、好きな惑星を探索できること。
ただ、始めは何をすればわかりづらいため、つまらない、面白くないという意見もかなり多いです。
実際、私も探索は楽しかったですが、序盤は目的すらわからないまま宇宙へ旅立ちました。
今回は、そんなOuter Wildsのレビューをしていきたいと思います。
良かったところ
オープンワールドの探索法
オープンワールドとなる宇宙や惑星を探索して得た情報が、別の探索に活きてきた時はとても気持ちよかったです。
本作は、集めた情報、知識こそが全て。
エンディングを迎える方法を知っていれば、宇宙に飛び出してすぐにエンディングを迎えることもできます。
どこかでフラグを立てたり、主人公を強化することで行けるようになる場所などもなく、ゲーム側からプレイヤーに対して、次に何をするかなどの指示も一切ありません。
宇宙を探索し、手に入れた情報を整理、検証を繰り返す。
その結果、物語の核心に迫る大きな謎やギミックが解けたときは、大きな達成感を感じました。
情報というピースを組み立てる必要がありますが、能動的に探索して迎えたエンディングは嬉しいものですね。
リアルタイムで変動する地形
宇宙や惑星での冒険は常に発見を与えてくれました。
本作のマップは時間の経過によって探索範囲が変わってきます。
1回のループで与えられた時間は22分で、例えば、10分ほど経過して初めて行ける場所や、逆に10分経過すると行けなくなる場所があったりします。
これは人によっては面倒に思う所かもしれませんが、同じ惑星でも時間経過で姿形が変わったり、前回のループでは気付けなかった場所に気付けたりと、ループの度に新しい発見がありました。
それも、中には惑星ごとまるっと変わるような、大規模な変化をするものもあるんですよね。
こういったものは宇宙の壮大さを感じましたし、今すぐに探索したいという好奇心を駆り立てられます。
また、時間経過を待つのが面倒に感じる人は、焚き火の前で仮眠を取ることで、時間を進めることができるので、有効に使うと便利です。
気になったところ
操作が難しい
前回の感想時にも記事にしましたが、操作が難しく、慣れるまで時間がかかりました。
私の場合は、不自由なく操作できるようになるまで恐らく10時間ほどかかったと思います。
特に無重力空間での操作は、上下左右がわかりづらく、地面との距離感を掴むのにも苦労しました。
とはいえ、シビアなアクションや複雑な操作を要求されることは全くないので、アクションが苦手な人でも数時間遊べば操作感がつかめてくると思います。
ただ、画面酔いは起こりやすいゲームだと思いますので、適度に休みつつ遊んだり、カメラの速度を下げるなど、工夫して遊ぶといいかもしれません。
私の場合、カメラの速度を下げてプレイするとかなり効果的でした。
会話がわかりづらい
他の人物との会話、nomai族の文書など、全ての会話がとにかくわかりづらかったです。
ズラズラ~と長いテキストが表示され、ローカライズも不安定、人名も英語表記で、かしこくない私にとっては理解することが困難でした。
ただ、そういった会話の重要部分は「航行記録」に自動でまとめられます。
ですので、その時に会話内容がわからなくても、後で航行記録を見返すことで会話の要点は理解できますし、物語の繋がりも見えてきました。
要点がまとめられているとは言っても、ローカライズが不安定なのは変わりないので、読み取るのに時間はかかりましたし、そこにストレスを感じる人は多いかもしれません。
処理落ちや画面のかくつき
タイトルにもあるように私はSwitch版をプレイしたのですが、処理落ちや画面のかくつきが気になりました。
例えば、処理落ちはオブジェクトが多い場所に移動すると、床や壁のディテールが表示されなかったり、かくつきはプレイが困難になる程度のものが30時間で3回ほど発生し、ゲームの再起動で直しました。
因みに、私のSwitchは購入して半年ほどなので、比較的新しい方だと思います。
プレイが困難になるほどではありませんが、動作が重くなることもありましたし、思ったより処理に負荷がかかるゲームなのかもしれませんね。
ハード性能で変わるかどうかは、他のハードで遊んでいないのでわかりませんが、Switch版で遊んでいる私の環境では、今回紹介したような現象が起きました。
ですので、気になる人は、Switchよりも性能が高い他のハードの購入を検討してみてもよいかもしれません。
終わりに
私は前々から本作を知っていましたが、Switch版発売を機に遊んでみてよかったです。
ゲーム側から目的地や解決方法を明示されず、プレイヤーで全て導き出す能動的な物語の描き方をしており、オープンワールドの宇宙全体が謎解きの舞台となっている点が魅力的でした。
これから遊ぶ人は、序盤は何をすればよいかわからず、楽しさが見いだせないかもしれませんが、「宇宙探索の好奇心」を持って、まずは5時間ほど宇宙を探索してみると楽しさが見えてくるはずです!
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