総評
2Dで構築された広大な迷宮を探索する本作は、豊富なアクション面が魅力的です。軽快な動きでストレスは全くないため、探索が捗ります。また、時の力を駆使したアクションは、戦闘や探索での奥深い攻略を楽しめました。
おすすめポイント
タイトル名 | プリンスオブペルシャ失われた王冠 |
発売日 | 2024年1月18日 |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
対応機種 | Switch、PS4、PS5、XBOX、Steam |
発売元 | Ubisoft |
クリア時間 | 約21時間 |
本作は、広大な2Dの迷宮を探索する、横スクロール型探索アクションゲームです。
メトロイドヴァニアとも呼ばれています。
舞台となるのは、時間の流れが不規則な「カーフ山」。
主人公のサルゴンとその仲間たちは、ガッサン王子救出のため入山します。
行く手を阻む罠乗り越え、さらには立ち塞がる敵を倒してガッサン王子を救出を目指しましょう。
道中では新しい能力を手に入れることが可能です。
探索範囲を広げてくれるだけでなく、戦闘でコンボに組み込めたりと用途も広く奥深い攻略ができます。
良かったところ
軽快かつ爽快なアクション
まず、キャラクターを動かしてみての第一印象はアクションが軽快かつ爽快なことです。
本作のアクションは大きく分けて、ジャンプして足場に飛び移ったりするプラットフォームアクションと戦闘におけるバトルアクションの2つがあります。
プラットフォームアクション
プラットフォームアクションでは、テンポの良さが魅力的でした。
自分の思った通り軽快にアクションしてくれると気持ちいいですね。
例えば、罠をスライディングでかいくぐったり、離れた足場に向かってジャンプしたり、壁ジャンプして高い足場に上ったりと様々な2Dアクションがあるのですが、スピード感があります。
アクションゲームがあまり得意ではない私でも「自分ってこんなにアクション上手だったっけ!?」と錯覚してしまうほど、テンポが良く気持ちがよかったです。
また、マップについても自然な操作で罠を回避できたりと、プレイヤーにストレスの与えないデザインになっていたという印象でした。
バトルアクション
バトルアクションでは、倒す必要のない道中の雑魚敵も倒してしまいたくなるくらいクセになる爽快感のある演出が魅力的でした。
主人公のサルゴンは、右手と左手に剣を持つ二刀流の戦士のため、素早い連続攻撃が特徴です。
基本的には攻撃ボタンを連打していた私ですが、敵に攻撃が当たる度にヒットストップがかかり、攻撃が当たった手ごたえが実感できます。
コントローラーの振動でずっしりとした手ごたえが伝わってくるので、質のいいアクションゲームを遊んでいるなぁと感じました。
また、敵の攻撃を見極めて回避もしくはパリィすることもできます。
特にパリィは戦闘における駆け引きを楽しませてくれました。
例えば、黄色く光る攻撃をパリィすると特大ダメージを与える演出付きのカウンターをお見舞いできますし、赤く光る攻撃はパリィできず回避に専念するしかありません。
こういった敵の攻撃によって生まれる駆け引きは常に緊張感を持てましたし、回避とパリィがハマった時は爽快感がありました。
時の力を駆使した攻略
物語を進めるとシムルグの羽というキーアイテムを取得し、サルゴンは時の力を扱えるようになります。
時の力は名前の通り、時間を駆使したアクションです。
一例ですが、空中ダッシュが可能になる「シムルグの猛進」や虚像を作って今いる位置と虚像の位置を入れ替える「シムルグの幻影」などがあります。
空中ダッシュは他のアクションゲームでもよく見ますがその他のアクションはかなり斬新で面白いものが多く、全てが戦闘や探索で大活躍しました。
例えば「シムルグの幻影」は戦闘時に敵の攻撃をかわすこともできますし、上手く使えば敵の背後に回り込んで有利なポジションで戦うこともできます。
探索では主に謎解きで使用するのですが、虚像を作って位置をマーキングしておくことで動く壁や床をすり抜けることができたりと、ユニークな謎解きが楽しめました。
目的地がわかりやすい
メトロイドヴァニアと呼ばれるゲームは総じて、目的地がわかりづらく広大なマップで迷いやすい印象です。
しかし、本作のマップは広大ですが、わかりやすく迷うことがありませんでした。
本作はメインストーリーやサブクエストなどは目的地がマップ上に表示されますし、「記憶のかけら」と呼ばれるアイテムを使うことでマップ上にマーカーを残すこともできます。
ところで、私がこういった探索ゲームをしていてやりがちなのが、現時点では取れないけど後々新しい能力を手に入れると入手できるようなアイテムを取り忘れてしまうこと。
マーカーを付けていてもマップ上の情報だけでは、イマイチピンと来ることもなく、結局アイテムを取らないままエンディングを迎えることが多々あります。
こういった時に「記憶のかけら」の出番。
「記憶のかけら」を使うことで、マップ上にマーカーを残すだけでなく、写真も付けられるので「ここにこれが原因で取れないアイテムがある」とマップを見るだけで識別できます。
新しい能力を得る度にアイテム回収に向かうことができましたし、マップの探索率も広げることができましたので、この機能にはかなり助けられました。
豊富なロケーション
鮮やかなグラフィックで描かれた2Dの広大なマップですが、探索していて視覚的に楽しかったです。
異なるエリアを探索するごとにロケーションの雰囲気がガラッと変わります。
最初は石造りのペルシャの神殿らしい意匠の建物を探索するのですが、神殿を抜けると森があったり、神聖な書庫や下水道などもあります。
特に嵐の海というロケーションは感動しました。
時が止まった海の上を探索するのですが、嵐を受けた一瞬が切り取られていて背景の躍動感が凄まじいです。
こういったロケーションごとに雰囲気が大きく変わると、新鮮な気分で探索ができます。
また、そのロケーションごとに敵の種類や罠、謎解きのギミックなど多種多様に存在していて、視覚だけでなく多彩な攻略も楽しめました。
気になったところ
ファストトラベルが不親切
広大なマップを探索するにあたって、目的地に向かうのが面倒でした。
当然、広くて入り組んだマップを探索するのですからファストトラベルは存在しますが、ファストトラベルができる施設の間隔が意外と遠かったです。
ですので、目的地までは基本的に自分の身で向かうことになります。
その際、一度突破した罠はショートカットが開通する場合もありますが、それでも何度も同じ罠を突破する必要がありました。
新しい能力を覚えていていれば、端折って突破することもできますが、アイテムを探すために何度も同じ場所を行き来するのは作業感覚になってしまったのは残念です。
関連して、敵も1エリア跨いで戻ってくると復活しているので、終盤は流石に辟易しました。
ただ、これは私がメトロイドヴァニアと呼ばれるゲームに慣れていないせいなのかなとも思っていますので、こういったジャンルのゲームに慣れている人であればストレスなく遊べると思います。
終わりに
私はメトロイドヴァニアと呼ばれるゲームはあまり遊んだことがありませんでしたが、本作は最後までとても楽しめました。
元々体験版を遊んでみて、ハマるかわからないけど少し気になるから遊んでみようと思い購入しましたが、思った以上にどっぷりとハマり、クリア後現在のマップ探索率は92%ほどです。
初心者でも探索しやすい上に謎解きやアクションも楽しいので、ぜひ遊んでみてください!
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