総評
本編では宇宙全体が探索の舞台でしたが、DLCでは1つの惑星が舞台です。探索場所は狭いですが、仕掛けや探索の密度は高くてついつい夢中に。探索する惑星は謎だらけで演出なども少し怖いですが、明らかになっていく謎と物語の真実に鳥肌が止まりませんでした。
おすすめポイント
タイトル名 | Outer Wilds – Echoes of the Eye |
発売日 | 2023年12月8日(Switch版) |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
対応機種 | Switch、PS4、PS5、XBOX、Steam |
発売元 | Annapurna Interactive |
クリア時間 | 約15時間 |
「Outer Wilds」のDLCである「Echoes of the Eye」の物語は、ミュージアムの新しい展示から始まります。
本編とは探索場所も登場人物も完全に独立していて、これぞDLCだなって思いました。
DLCクリア後にもう一度本編のエンディングを見て涙をボロボロ流すほど、個人的には美しく感じたお話です。
今回は、DLCを遊んだ感想についてできる限りネタバレなしで紹介していきたいと思います。
これからOuter Wilds遊ぼうとする人やDLCの購入を迷っている人の参考になれば幸いです。
良かったところ
未知の恐怖を解明する楽しさ
噂で怖いとだけ聞いていたのですが、本当に怖かったです。
DLC購入後、タイトル画面を起動すると以下の画像のような注意書きもあったので更に身構えてしまいます…
探索を進めていくと狭く暗い場所を探索することになります。
ホラーゲーム耐性のない私はこれだけでも十分びくびくしながらプレイしていましたが、さらに怖さを冗長させたのは、主人公を見つけると捕えようとする正体不明の生物です。
この「正体不明の生物」というのは、物語を進めていくとどんな生物かは判明するのですが、始めのうちはとにかく怖かった。
彼らの存在する目的や敵か味方か、言葉すらもわからず、全く謎だらけです。
探索してて常に感じたのは全く未知なものへの恐怖。
本編では宇宙探求の好奇心のみで、そのような恐怖はほとんどなかったので、かなり新鮮な体験でした。
なぜなら、本編で出てくる「nomai」という種族は、彼らの遺した文献などから、少なくとも敵意はないということはすぐわかりますし、完全に未知ではないですからね。
ただ、Outer WildsのDLCにおける面白さはそこで感じる未知の恐怖にあると思っています。
探索する場所もその場所に住む種族も本編では一切語られていませんので、謎まみれのDLCの中身を探索を通じて解明していくのはとても楽しく、ワクワクしました。
濃密で精巧な謎解き
本編のスケールに比べると広大ではないですが、隠された秘密の場所やそれを解くための謎解きが至る所にあって楽しめました。
本編のように色んな惑星に飛び回ってというより、1つの惑星に留まって探索するので密度がギュッと詰まっている感じです。
ギミックの種類や主人公のアクションは少ないですが、演出や使い方が精巧な印象でした。
例えば、道がないように見える場所でも、後に得た知識を活用すれば必ず道が現れたりします。
始めから全ての謎は解けるんだけど、その謎を解く知識を持っていないとわかりようがないというような、実にOuter Wildsらしい謎解きでした。
謎解きのキーとなるのは、光と暗闇。
光を照らすことで道が現れたり、光を消すことで扉が開いたりなど、光と暗闇を利用した仕掛けや謎解きもどこか幻想的で美しかったです。
そんな楽しい謎解きが1つの惑星に詰まっているので、ずっと夢中になってプレイしました。
また、探索については本編ほど目的地がわからなくなることもないと思いますので、比較的迷いづらいかなと思います。
本編のエンディングをもう一度見たくなる物語
DLCのストーリーを終えることで、本編のエンディングをもう一度見たくなりました。
本編では知る由もなかったもう一つの物語を知ることができ、それが本編の物語が始まるキッカケの1つにもなっているからです。
核心に迫るため多くは語りませんが、知ってしまうと感傷に浸らずにはいられず、巡り合わせって本当にすごいなと思いました。
DLCの内容は知らなくても本編の物語は矛盾なく完結しますが、DLCの内容を知っていれば全てにおいて納得感のある美しい終わり方を迎えることができたという印象です。
本編とは完全に切り離されたDLCですが、まだOuter Wildsを未プレイの人はDLCをプレイする前に本編をクリアすることをおすすめします。
本編のエンディングをもう一度見るか見ないかは任意ですが、DLCをクリア後に見ることでより感慨深く感じることは間違いないです。
気になったところ
ヒントが少しわかりづらい
謎解きや物語を示したヒントが少しわかりづらいかもしれません。
DLCでは、本編のような丁寧な文書を誰かが残しておらず、リールを使って映像を見ることで知識を得ていきます。
文字ではなく映像なので、場所に心当たりがある場合はピンとくるのですが、そうでない場合は割と長考してしまうかもしれません。
実際私も映像だけでは理解が及ばない場面がいくつかあったので、航行記録を見ることで情報を整理する機会が多かったです。
ただ、その分謎が解明した時の気持ちよさは本編を凌ぐものがありました。
懸念点
FPS視点での体験
Outer Wilds本編を遊んでいる人はわかると思いますが、本作はFPS視点での操作になります。
FPS視点による操作感の悪さなどは専ら評判ですが、臨場感ある体験を提供してくれるのは確かです。
ただ、DLCで探索する場所は時間経過で大きな波が発生するという点には注意してください。
FPS視点で波にのまれてしまうので、ゲームとはいえ強いストレスを感じる人はいるかもしれません。
また、画面酔いも健在で、建物内を探索していると施設によっては倒壊して画面が動きまくります。
無理せず適度な休憩をはさみながら自分のペースで進めるようにしてくださいね。
終わりに
私は本編とDLC含めて50時間近く本作をプレイしました。
探索は大好きな分、謎が解けず次に進べき道がわからなかったときはしんどかったですが、全てを終えた今は「やり切ってよかった」と心の底から思います。
知識さえあれば、1時間ほどでクリアできてしまうというのがなんとも不思議に感じるゲームですが、それだけ探索で得る知識が大切ということで、クリアしてしまった私は二度と初見時と同じような体験ができないのが少し寂しいです。
記憶を消してもう一度やりたいなと思えるほど素敵なゲームでした。
コメント