1986年に発売されたゼルダの伝説は長い歴史を誇る大人気シリーズです。
謎解きや探索が醍醐味のアクションアドベンチャーゲームですが、2017年に発売された「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」で圧倒的に自由度の高い冒険ができるようになりました。
緑の服を着ていないリンク、オープンワールドの開けたマップ、自分で料理を作れるなどなど…
これまでのゼルダとは全く違う新しいゼルダに、始めは困惑するファンも多かった印象です。
しかし、今や多くの旧ゼルダファンのみならず、ゼルダを知らなかった人をも虜にしています。
私も旧ゼルダファンでしたが、ブレワイの魅力に虜になったファンの一人です。
ブレワイの一体何が魅力的だったのでしょうか?
この記事では、これまでのゼルダとブレワイの違いを掘り下げて紹介していきます。
ブレワイから何が変わったのか?変わった要素
フィールド
まず、探索するフィールドは特に大きく変わった要素と言えるでしょう。
いくつかありますので、詳しく確認していきます。
オープンワールド
オープンワールドとなることで、ロードがなくなりました。
これまでロードの発生していた村や町はもちろん、家に入るのだってロードなし。
視界に広がる場所全てに、ロードが発生しないのですから本当すごいですよね。
背景と思えるような遠い山まで歩いて行けると知ったときはワクワクが止まりませんでしたし、自分の中のゲームの常識に革命が起きた瞬間でした。
メインダンジョンも外の景色が眺めることができたりなど、開放感あるのが特徴的でしたね。
ただ、個人的にメインダンジョンについてはこれまでの閉塞感があった方が好きだったなぁと感じます。
移動方法
フィールドが広くなることに伴い、移動方法も増えました。
- 崖を素手で登る
- パラセールで空を滑空する
- 祠を起動してファストトラベル
など、移動方法が豊富になったことで広大なハイラルをストレスなく冒険できます。
今でもパラセールを使い自由に空を滑空した感動は忘れられません。
他にも馬やイカダなど、これまでのゼルダにも登場した移動方法もあり、これまでのゼルダ要素も残されていたので、ファンとしては嬉しかったです。
気温の影響
ゼルダの伝説シリーズには多くの火山や砂漠、雪山など多様なロケーションが登場します。
それはブレワイも例外ではありません。
しかし、ブレワイがこれまでのゼルダと違うところは、ロケーションごとの気温の影響を受けるようになっています。
具体的には…
- 火口に入ると熱い
- 砂漠にいると暑い
- 雪山にいると寒い
といったように、気温の変化によってダメージを受けてしまうので、料理や装備品でしっかり対策をすることが大切です。
これまでのゼルダでも、火山のような熱い場所に行くと影響を受ける仕様はありましたが、ブレワイのように雪山や砂漠で細かく影響を受けませんでした。
特に雪山は、どんなに猛吹雪でも平気な顔して冒険します。
自分の中でブレワイが浸透した今だからこそ思いますが、過去作品の勇者は人間離れしていますね。
天候の変化
ブレワイのハイラルはフィールド探索中に、天候の変化により様々な顔を見せてくれます。
- 激しい雷雨
- 土砂降りの雨
- 緑が映える晴天
- しんしんと降る雪
- 雨上がりにかかる虹
- 雪山を覆うオーロラ
など、プレイヤーにとって厄介なものからハッと息をのんで立ち止まってしまうくらい綺麗なものまで様々です。
天候の変化に伴い、採れる素材が違ったり、装備品や行動が制限されるところも攻略に直結するところなので面白いですね。
これまでのゼルダでも天気の概念はありましたが、場面や場所が限られていたりしたので、ブレワイのように時間の経過で変わるといったことはありませんでした。
同じロケーションでも、天候が違うとまた違った雰囲気を楽しめるので、まるで旅行しているかのような気分を味わえて楽しいです。
謎解きの性質
これまでのゼルダの謎解きと言えば、決められた攻略手順に沿って謎を解いていっていました。
解法も基本的には正攻法と呼ばれるものが1つしかないため、難しくマニアックな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
ブレワイの謎解きの性質は、そんな難しい印象を払拭した万人に受ける謎解きだと私は考えています。
どんな性質なのかというと、謎を解くための正攻法が存在しないという性質です。
例えば、燭台に火を付ける方法も…
- 炎の矢を撃つ
- バクダン矢を使う
- 炎属性の武器を使う
- 焚き火を起こして着火した木製武器もしくはたいまつを使う
など、他の人と全く同じ解き方をした人もいれば、今記事を読んでくださっているあなただけしか見つけていない攻略法があるかもしれません。
これまでのゼルダでは1つの謎を解くために対して正攻法が必ず存在していたため、かなりカジュアルになった印象ですね。
また、メインダンジョンの攻略順序も大きく違います。
これまでのゼルダでは1つ1つの謎を順番に解決し、謎解きを積み上げながらダンジョンのボスまでたどり着いていました。
つまり、C地点に向かうためにA地点とB地点も経由する必要があります。
しかし、ブレワイでは攻略に順序はありません。
同じようにA地点~C地点があったとして、そのどこからでも攻略ができます。
こうして柔軟な謎解きへの変化こそ、これまでマニアックだったために受け入れられにくかったゼルダの謎解きが、多くの人に受け入れられた理由であると言えるはずです。
かけ算の遊び
私はこれまでゼルダを遊んでいて、「あそこの木を切り倒したい」、「石を投げて敵にダメージを与えたい」など、環境の要素を活かした遊びがしたいと度々思っていました。
ブレワイが発売したことで、そんな私の想いが実現します。
なんと、フィールド中の様々なオブジェクトを動かせるようになったのです。
木を切り倒すのも、石を投げて敵にダメージを与えるのも思いのまま。
さらに動かせるだけでなく、地形やオブジェクトなど複数の要素を組み合わせることもできます。
それらは、「かけ算の遊び」と呼ばれており、ブレワイでの遊びを語る上でとても重要な要素です。
かけ算の遊びの一例…
- 坂道で岩を転がす:オブジェクト×地形
- パラセールで空を滑空:アクション×オブジェクト
- 草木を燃やして風で延焼させる:アクション×化学
実際に遊んだ人は、思い返せばハイラルでの冒険はかけ算の遊びで溢れていたのではないでしょうか。
その他、ゼルダの醍醐味である謎解きにも影響を与えています。
自由かつクリエイティブな謎解きが楽しめる印象で、これまでの決められたものを順番通りに使っていくという謎解きとは正反対です。
特に帯電した鉄の箱を動かしてスイッチを起動するといった、祠の謎解きはとても印象に残っています。
かけ算の遊びが生まれたことで、用意されただけの受動的な謎解きではなく、用意されたものを組み合わせて使う能動的な謎解きが楽しめるようになりました。
とはいえ、私は昔のゼルダの謎解きも大好きなので、たまに遊んでいます。
ストーリーの進め方
私は昔から道筋が決まった一本道の冒険が好きでした。
その理由は、なにも迷うことなく、ただ目的に向かって行動すれば良いだけだからです。
しかし、ブレワイを遊んでそんな私の意見は180度変わりました。
自由な冒険ってなんて面白いんだろう。
ブレワイでは前述した謎解きと同様、ストーリーの進め方についてもとにかく自由です。
オープニングを迎え、色々すっ飛ばして1時間でラスボス挑めるほど自由。
これまでのゼルダでは、ラスボスに挑むにはいくつかのダンジョンを踏破する必要がありましたからね。
全ての工程を踏むと10時間以上は間違いなくかかる規模のゲームなのに、バグとか使わずにすぐに終わらせることができるってなんだか不思議です。
また、ハイラルに散りばめられたゼルダ姫との記憶やメインダンジョンも自由な順番で攻略できます。
プレイヤーが目的を見失わないよう目的地への導線を出しつつも、実際に向かう目的地はプレイヤーに委ねるというゲームデザインも遊びやすく良い塩梅でした。
これまでのゼルダでは各ダンジョンで入手していたアイテムも、序盤のチュートリアルで全て入手することができるのも、探索の好奇心をますます煽りますね。
ハートについて
ブレワイでは体力を示すハートの回復方法や上限を増やす方法もこれまでのゼルダとは大きく異なります。
ハートの回復方法
ブレワイでは、素材を集めて料理や薬を作り、飲食することでハートを回復することができます。
これまでのゼルダでの主なハートの回復方法は、草を刈って出てくるハートを取得する、空きビンに詰めたクスリを飲むなどだったので、より現実味あふれる回復法になりましたね。
ハイラルにある資源を活用してある程度ストックでき、回復したい時に回復できるのが大きな違いです。
過去作「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」では、直前までカンテラの油が入っていたビンにスープなどを入れることもできたので、それと比べると衛生面的に良いですね…!
料理のイラストも美味しそうで、夜中に見るとお腹が空きます。
その上、素材によってはリンクのステータスを上げたり、耐性を付けたりすることもできるため、どんどん作ってストックしておきたいですね。
料理することによって攻略も楽になるので、料理の素材を集めるため、探索のモチベーションにもなりました。
ハートの上限を増やす方法
ブレワイでは、祠をクリアすることでもらえる「克服の証」を4つ集めて女神像に捧げることでハートの上限を増やすことができます。
これまでのゼルダでのハートの上限を増やす方法として代表的なのはハートのかけらを4つ集めることでした。
「克服の証」は、ハートを増やす「ハートの器」だけでなく、がんばりゲージを増やす「がんばりの器」とも交換することができます。
どちらを伸ばすか迷いますが、祠を全て見つけて最大強化してもキリが良くならないのが何とももどかしいですね…
また、「ハートの器」はボスを倒すことでも入手できます。
ここはこれまでのゼルダと同じ仕様ですね。
装備品が豊富
装備品はこれまでのゼルダと比べて種類が豊富です。
装備品は大きく武器と防具の2種類に分けられます。
武器
武器は片手剣のほか「両手剣、槍」が増え、これまでアイテムとして使用していた弓やブーメランも武器扱いとなり、更に全ての武器に攻撃力や耐久値も追加されました。
特に耐久値が付いたことで、「武器を使う→壊れる→拾う→拾った武器を使う」のサイクルが生まれ、サバイバル感も味わうことができます。
また、武器種ごとに性質や攻撃モーションが変わったりと、探索個所や魔物に適した武器を装備するなど、戦闘はもちろん探索でも武器選びが重要です。
状況に適した武器を使うことができるので、戦闘が楽しいですね。
武器関連で個人的な余談を1つ。
私がゼルダの伝説シリーズに登場する全ての武器の中で最もかっこいいのは、「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」に登場する「フェザーソード」だと思っています。
片刃の剣というのがいいですね。
防具
防具は「頭・胴・足」と3つの部位に装備できるようになり、盾も種類が豊富になりました。
更に防御力や追加効果など、リンクのステータスに関する部分にも大きく影響してきます。
各地にいる大妖精によって防具を強化してもらうことでステータスも上がる点も新要素です。
攻撃力の高い強敵と戦闘する時は防御力の高い防具、雪山を探索する時は盾サーフィンで滑りやすい盾に耐寒効果の付いた防具といったように、場面ごとに防具や盾を付け替えることができるのも面白いですね。
また、防具を染色することで自分好みにコーディネートできるのも大きく変わった点です。
かっこいいリンク、かわいいリンク、ちょっと変態なリンクと防具によって多様な印象のリンクが見ることができます。
普段かっこよく人間離れした印象のリンクでしたが、ブレワイでは人間味あふれるリンクをたくさん見ることができて新鮮です。
終わりに
この記事では、ブレワイから変わった要素を紹介してきました。
基本のアクションなど細かく見ればまだ紹介しきれていない要素はあるかもしれませんが、明らかに変わった要素は紹介できたのではないかと思います。
これからもゼルダの伝説は進化し続けるでしょうし、ブレワイでアタリマエになったことも、次回作では違ってくるかもしれませんね。
これからどんなゼルダが遊べるのか、今からとても楽しみです。
コメント